さらば青春の光
原題: Quadrophenia(四重人格)
ジミ−(フィル・ダニエルズ)
1979年作品 イギリス
<ストーリー>
1970年代のロンドン。
”MODS(モッズ=Modernsの略)”と呼ばれる、アイビールックにアーミー・コートのグループ(流行に敏感なホワイトカラー的な若者が中心)と、”ROCKERS(ロッカーズ)”と呼ばれる皮ジャンにリーゼント・スタイルのグループ(労働者階級が中心)
そのファッション・価値観の全く違う二つのグループの対立を、その渦中にいるひとりの青年ジミ−(フィル・ダニエルズ)の視点を通してノスタルジックに綴った青春映画。
ジミーは広告代理店の雑用係。熱中するモッズの集まりに出かけ、そこそこにモテて、仕事は適当という日々。
自称ホワイト・カラーの(嫌味な)若者が、その些細な自尊心で、「おしゃれじゃない」(労働者階級の)ロッカーズを侮蔑するという雰囲気に満ちており、強烈なモッズ信奉者のジミ−にとって、カリスマであり伝説的なモッズであるエース(当時ポリスのメンバーであったスティングが好演)がホテルのベル・ボーイ(=労働者階級)をやっていることは、耐え難いことと感じながら、その自分も実は単なる雑用係であるという矛盾を抱え持つ。
Vespa・Lambrettaなどのスクーターを派手派手に飾り付け、粋に走りながら、ファッションはストイックにまとめる。また、大人になりきれない若者の中途半端さに対する郷愁と共感を呼び起こす映画として、熱狂的なファンを多数持つ。